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彼は迷う事なく最上階のボタンを押した
グワンと言う音がしてエレベーターは少し揺れて上昇した
途中他の階に立ち寄る事もなく、エレベーターは屋上についた
降りてみるとフェンスだらけの殺風景な屋上に、小さなほったて小屋が立っていた
粗末な限界ドアには手書きで、名高心霊研究所と書いてあった
彼は玄関ベルを押そうとした
その時中から声がした
「ブザーは壊れてるんだ
そのまま入ってくれよ田中君」
それを聞いた時彼は唖然とした
何故なら、訪問のアポイントを取っていないのだ
不意討ちなのに、名前がわかるとは考えられなかった
彼は不意打ちをしたのは半信半疑だったからだ。
手品師やインチキ占い師の使う方法にコールドリーディングと言う方法がある
これは相手の事前調査をしといて、あたかも特殊能力で当てたように見せつけ相手を信用させる詐術である
彼は名高がこれを使えないように不意打ちをかけたのだ
とにかく彼は衝撃を受けたままドアを開けた
入ってすぐのリビングルームの広さは畳八畳程の長方形の物だった
向かって左に窓があり窓には心霊のエキスパートと言う文字が書かれていた
向かって右側には本棚とロッカー
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