その男名高敦郎

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「助けてくれ 否助けて下さい名高さん」 「とにかく座ってくれ」 名高は丸椅子の埃を払いながら彼に渡した 彼は椅子に座った 名高は立ち上がると無造作そばのテーブルに並べてあるコーヒーカップを二つ取った。 名高は言った 「コーヒー、紅茶、ココア?」 「いや、お構いなく」 名高は額に手を当てた そして言った 「あっ、コーヒーか」 彼は再び驚いた 何故なら名高と飲食を共にした事など一度もないからだ しかし名高は次に彼をもっと驚愕させた コーヒーを注ぎながら顎を掻いたのだ その時顎髭から白い物がコーヒーに容赦なく降り注いだ 名高は無造作にコースターも使わず盆の上にコーヒーカップを乗せて砂糖壺ものせて、こちらに来た 名高は小さなテーブルの上にコーヒーと砂糖壺を置いた 名高は彼に聞いた 「砂糖いくつ?」 「一つで(飲む気ないけど)」 名高は砂糖壺を開けると角砂糖を鷲掴みにしてコーヒーに入れた 彼はあんぐり口を開けたままだった 名高は言った 「遠慮なくやってよ」 「はっはあ」 名高はいきなり自分の股の部分を掻き始めた 彼はますますコーヒー
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