その男名高敦郎

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を飲めなくなった 彼は一度見た名高の優雅な姿を思い出していた。 学食のテラスで流行のファッションに身を包んだ名高が一人コーヒーを飲んでいた そこへヒラヒラと一匹の蝶々がやって来た 名高が指を出すと蝶々は、その指に止まった すると名高はその蝶々に口づけした それを見ていたウェイトレスや女子大生達は思わず失神しそうになった それが今これである 年月が名高を変えさせたのか 『それとも、これがこいつの本性なのか』 名高は言った 「出せよ」 「えっ?」 「持って来たんだろう二十万」 『金額がピッタリだ 何でもお見通しか』 彼は袋に入れた金を名高に渡した 「相場がわからなくて」 名高は何も言わず、それをポケットにしまった 名高は言った 「で、どうして欲しいんだ」 「祓ってもらいたいんです」 「除霊か 安っぽい映画やテレビでは除けばそれですむと思ってる」 名高は立ち上がって窓の方に行った 名高は言った 「俺は安倍晴明で有名な土御門と争ってた賀茂一族の氏族三輪一門の血を継ぐ一族に生まれた こう言った特殊な一族には異能の能力を引き継いでる奴がいる
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