その男名高敦郎

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それから本格的に何をすべきか指示しよう」 名高はとりつく島もなく彼を締め出した 彼は帰るしかなかった 妻になんて言おう 他の霊能者を訪ねるか しかし名高ほどの霊能者がおいそれとみつかるわけはない なんでもお見通しの名高に愛想つかされたらえらい事になる 彼はやはり名前を調べる事にした とにかく事件があったと思われる場所の警察に電話で尋ねてみた しかし警察は被害者の名前の公開に応じてくれず、どうしても言うなら、その必要と被害者との利害関係を証明しろと彼の要請をはねのけた 彼は困って知り合いの弁護士に相談した。 何故警察が被害者の名前を伏せる事が出来るか根拠をしりたかった 電話で弁護士は答えてくれた それによると犯罪報道は警察は苦々しく思ってたらしい 刑事裁判の中では真実の暴露と言うのが有罪無罪判決に大きく影響を及ぼす つまり犯人しか知らない犯行事実を犯人が自供すれば犯人である証明となる ところが報道が加熱すると一般では知り得ないない犯行事実を報道されてしまう そこで犯人を追い詰める材料が少なくなってしまう そこに出て来たのが犯罪被害者等基本法と言う法律である この法律によって警察は犯罪被害者を匿名
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