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彼は車窓から、ある物を見つけて車を止めた
土手の上から見えたある物とは特定郵便局の建物だった
『暴行現場はここら辺りだ』
彼は外へ出て周りを見回したが、車が下れる場所はなかった。
その時名高の声がした。
「田中君名高だ」
彼はあちこちを見た
名高は影も形もなかった
「周りを見ても無駄だ、そこには私はいない
おめでとう
君の目的地点はそこだ
それより、君に取り憑いてる男の霊波に異常波が出始めている
どうやら君は時間がかかり過ぎたようだ
早く男の名前だけでも突き止めないと男の霊は攻撃的になるぞ」
彼は名高に攻撃的になるぞ
「そんな当分大丈夫だって言ったじゃないですか
俺だってこの数ヶ月無為に時間をすごしたわけじゃない」
「とにかく、暫く家族の元に戻らない方がいい
霊は君の家族の幸福に嫉妬している」
「いつ帰れるんですか」
「どこかアパートを借りた方がいいな
とにかく暫く家族の近くには行かない方がいい」
名高はそれだけ言うとテレパシー通信を切った
彼は怒鳴った
「話が違うじゃないか名高敦郎、このペテン師め」
彼は家族と離れなければならない
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