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その時近くの路肩に止めてあった車の中から声がした
「五十過ぎの男が殺されたのは、ここから五百メートルぐらい行った所ですよ」
運転手と思われる男がおりて来た
彼はびっくりした
「連続殺人ですか」
運転手と思われる男が否定した
「否、2つの事件に関係があるかどうか
時間的には離れてますから、しかしこんな田舎で殺人が二度も起こるとはねえ」
彼は聞いた
「その殺された中年ですが名前わかりませんか?」
運転手が言った
「いや、俺も又聞きだから、ところでなんでそんな事聞くんですか」
彼は困ってしまった
「いや、その、何て言うんですかね」
その時彼の後ろから声がした
「どうしました
道がわからないのかな」
振り向くと長身で、均整の取れた身体の男がにこやかに笑っていた
男は年齢三〇代ぐらいで小さな頭にサラサラした髪の毛を横分けにしていた
二重まぶたが大きく張り、少しやんちゃ系で童顔だった
ラフなGパンに赤い無地のジャンパーを着て自転車を引いていた
ポール係りの若い男が言った
「駐在さん」
「駐在さんはよして下さいよ、今ここにはいないんですから」
彼は警察と聞いてどきっとした。
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