出会い

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彼はますます混乱した 「いや私は、もう帰らなくては」 「お手間はとらせません この事件は未解決なんで周辺の警察官に所轄の刑事課から捜査協力要請があったんです まあ不審人物と呼ばれるのは失礼ですが、ここではお見かけしない顔のようですし、こちらにいらっしゃった理由だけでもお話願えればと思ってるんです」 そこまでいわれたら彼は行くしかなかった 断れば疑われるからだ 彼は言った 「手早くすましていただけるなら」 「もちろんです、ここから三百メートル東に駐在所があります、そこで少しお話しましょう」 彼は元駐在に連れだって駐在所へ向かった。 死刑の階段を上る気持ちあるいはとさつ場に引っ張られる家畜の気持ちだった もしかしたら冷たい手錠をかけられるかもしれない 彼は不安でどんどんゆうつになって来た 問題の駐在所はすぐ見えた 第一現場すなわち中年男の暴行現場から八百メートルもあるが第ニ現場からは二百メートルもない つまり第ニ現場からは目と鼻の先で殺人が行われた事になる いくら一人派出所が隙が多いと言っても問題になるのではないだろうか 彼は思わず聞いた 「現場と目と鼻ですね」
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