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言って見て彼は気がついた
警察批判をしてしまったのである
元駐在は怒りもせずに言った
「事件があったので反対側にあった駐在所が、こちらに移転して来ました
なんでも土地区画整理組合からの強い要望だったようです
なにしろ二件も人が死んだ事件があったんですから」
彼は納得した。
臨時に移転して来たせいだろうか
駐在所は古い一般の家の土間の部分を改造しただけの物で他の建物とはミスマッチだった
玄関は取っ払われかわりに出入り自由なサッシの引き戸が備えられた造りだった
駐在所の部分はわずか八畳ぐらいしかなく、その広さに境があり、カウンターの中に駐在の机とロッカーがあり、そのロッカーの横にはヘルメットとプラスチックの盾が無造作にかけてあった
そのロッカーの横から居住区に入る事が出来るようになっていた。
元駐在は自転車を出入り口の横に置くと先に出入り口へ向かった
彼は駐在所を見た
中の机でルーキーが事務を取っていた
駐在は高校を出たばかりぐらいの年で小柄に坊主頭の人なつっこい感じの男だった
元駐在を見ると立ち上がって敬礼して行った
「部長殿、ご苦労様であります」
部長とは巡査部長の事である
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