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「みんな震え上がってるよ」
「そりゃどうも」
「どうだね、俺の部屋でお茶でも」
「ほう、雲の上の長官官房人事課長殿に声を掛けていただけるとは俺にも運が回って来たかな」
長官官房人事課長室は他の課長室と規模も造りもほぼ同じであり、人事課の中に作られている部屋だが霞ヶ関の官僚の部屋らしくかなり大きい
特に違う所は巨大な組織図が置いてある事だ
二人は課長の机を挟んで座った
鬼岩が言った
「タバコいいですか」
「どうぞ」
瀧川は組織図の所へ行き、ある場所を指した
「突然なんだが、ここに君のポストを一つ用意した
黙って行ってくれないか」
「北海道道警警務部長、ずいぶん遠い栄転だ
第一北海道道警ナンバー2は警視長の指定席でしょう」
「君が受けてくれれば官房長には私が話しておく、大手を振って本土を離れてくれ、返事は」
「ノン」
「ノン何故?」
「寒い所は痔が悪化します」
「それなら愛媛県警の県警本部長はどうかね、警視正から警視長になってすぐの本部長人事は異例中の異例だよ」
「みかんは嫌いです
体が黄色くなる
それより人事をまるでボードゲームのようにお考えのようだ
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