屋根裏の本

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全国警察二十万の血と汗だとお忘れですか いい御身分だ」 「君はもっと上手く生きる事を勉強したまえ 東大法学部政治学科卒、国家一種行政を通り、難関の司法試験にパスし、おまけに先祖は薩摩藩士、これだけの条件に恵まれながら同期では一番遅れてるそうじゃないか 君も男なら頂を目指したらどうだ」 「頂ですか? 警察庁長官と言えど他の省庁で言えば次官ですよ 崇められる事しか知らないキャリア官僚が長官になり、勇んで参加した次官級会議でけちょんけちょんにバカにされると言う そんなケチなポストにつくため、私は大事な良心とプライドを失いたくない もう話す事はありません 今度お会いするときは聴聞会議でお会いしましょう」 鬼岩はドアの所に行くと振り向いた 「監察官の人事に口を出すおつもりなら、それなりの覚悟をお願いします」 鬼岩が出て行くと瀧川は言った 「こうなると、余計問題は片付けなければならなくなるな あの男が証拠を掴む前に、何とかしなければ、多少のリスクはやむおえまい」 彼は緊急に家を探さなければならなくなってしまった もちろんホテルを使う手も考えたが、共用部分が多いホテルで、もし霊が問題を
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