屋根裏の本

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その時何かを引きずる音がした 「なんだこの音は」 彼は辺りを見回した バルコニーまで出て外を確かめた 首を傾げて彼は戻って来た そして彼は何かに気がつき戦慄した 『考えてみれば、こんな条件のいい部屋がすぐ入居出来るなんて、おかしくないか』 彼は本で読んだ事を思い出した 何か出る部屋は、床か天井裏に、お札が貼ってあると 彼は調べるかどうか躊躇したが、まだ不動産屋が開いているうちなら、証拠をつかんで文句を言えばどこかの部屋をあてがってくれるかもしれないのでスマホの輝度を最高にして押し入れに入り羽目板を上げられる所を上げた 家には大概屋根裏に上がれる場所がある それは押し入れの天井である場合が多いのだ 彼は押し入れの羽目板を上げてスマホで中を照らしてみた 柱も丁寧に見たがお札のような物が貼ってある事はなかった 彼はほっとして屋根裏を出ようとした その時チカットと光ったような気がした 彼は身を乗り出した スマホで照らすと何か四角い物が置いてあった 彼は大きな身体を丸めて床を外さないように四角い物を取って押し入れを出た 電気に晒してみると、それは縦30センチ横は20センチの本だった
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