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そしてその本は緑色で聖書のような格調高い装丁だった
何よりも特徴的なのは開けないように鎖で縛られ鍵がかかってる事だった
彼は言った
「ひさびさハムナプトラ失われた死の都と言う感じだな
あけたらイムホテップでも蘇りそうな
誰のもんだろう
前の持ち主の物か?
業者に聞いてみるか
それとも家主かな」
彼は何とか一部でも覗けないものかと鎖を上げて本を開こうとしたが途中で断念した。
「無理してもし破いたら
忘れ物でも他人の物だからな」
しかし彼は未練たらしく見ていた
「お札でもあれば不動産屋に因縁をつけられるんだが、古い本じゃ
だけどなんで屋根裏なんかに
やっぱりちょっと気持ち悪いな」
彼はケータイで業者の知り合いに連絡を取った
「あ、山口くんか、田中だけど無理言ってすまなかった
それはそうと、別にどうって理由はないんだけど俺も神経質なんで、屋根裏を見せてもらったんだよ
そしたらね、本があってさ、おそらく前の住人の物じゃないかと
それがさ、変な本なんだよ、開けないように鎖で巻いて鍵しめてあるわけ
えっ持って来てくれって
今からか?
勘弁してよ、俺疲れてんだよ」
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