屋根裏の本

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彼は本を改めて見た そして言った 「これ、なんかのおまじない? 冗談だよ えっ明日朝早く取りに来るって 店に届けようか? 何時って、こっちも仕事してるから4時過ぎにはなるけど なら朝取りに来るって わかったよ、早く来てくれよ」 彼は電話を切って寝転がった 「なんなんだろう あの慌てよう 今日は疲れた 布団はいいわ 寒くないし」 彼はそのまま寝てしまった そして夢を見た 夢の中で彼は目を覚ました すぐ彼は中年の男が座って背中をこちらに向けていた 『あの中年だ、いつまでも名前を見つけられないので怒って出て来たのか』 彼の心を恐怖と戦慄が襲った そのまま彼は身体が動かなくなった 金縛りだった 恐怖が彼の頭を覆った 『俺はこのまま取り殺されるのか』 しかし男は襲って来なかった この時彼は何かに気がついた 『泣いているのか?』 その時彼は目が覚めた 覚めたと言うより起こされた 玄関ブザーを鳴らす音が激しかった 彼は近所迷惑になると慌てて戸を開けた 外には二人の人間が立っていた 一人は知り合いの不動産屋営業マン、もう一人は見知らぬ老婦人だった
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