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「じゃあどうすればいいんですか
簡単に引き下がりませんよ」
「じゃあ受け取り証を書くように言ってくれ拇印を押して」
「わかりました」
しばらくすると山口は帰って来た
「どうしても名前を全部書きたくないって言うんです
それでこれで何とか
そのメモは孫の本を受け取ったと言う記載と北條と言う名字と拇印が押してあった
彼は思った
孫の名前も特定されてないから、これだけでは、どこの誰かわからないが一応拇印があれば問題にはならないだろう
彼は言った
「わかりました、引き渡します
それから、これはいただけません」
彼は老婦人に押し付けられた箱を山口に返した
彼は和室の緑色の本を取った
返す時になって夕べの夢見が気になった
しかし関係ないと割り切った
本を持って洋間に入ると、山口はトイレに行ったようで、老婦人が一人しゃがんで床を手で触っていた
彼が入って来ると老婦人は急いで立ち上がった
「すいません
勝手に床を触って
わたくしったら何をしてるやら」
「いや、いいですけど、よろしかったら何故触ってたのか」
「孫のベッドが、ちょうどこの位置で、この上で美容体操をやってました
ほら床がへこんでるでしょう
鉄アレイを落としたんですよ」
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