屋根裏の本

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彼は中年男の後ろ姿を思い出した 彼は愕然とした 『あれは夢じゃなかった 金縛りだったんだ いよいよ攻撃が始まった これからどんどん霊現象が起こってくるんだ』 彼は頭を抱えて座り込んだ 自分だけなら耐えられるが、もし家族に呪いがかかったら 彼は名高が言った事から娘や妻の呪いのかかった状況を想像した 『あれは悪霊だから 普通の死霊にあんな凄い力があるわけない』 彼はそう言って自分を慰めた 彼はハッと気がついた もう会社に行かねば 時計を見ると、とても営業時間に間に合わなかった 彼は電話を取り会社に掛けようとしたが止めた 「無断欠勤になるな」 彼は手で顔を覆って深いため息をついた そして起き上がって濡れた場所を見た 「この場所は、間違いない あの本を置いた場所だ だとすると、あの老婦人と中年男は何か関係が 待てよ、あの人は良家の娘と駆け落ちしたと言ったはずだ もしあの老婦人の娘が彼の妻だったら 出来過ぎてはいるが何かに導かれてるとしたら、とにかくその謎はとにかく あの老婦人から名前を聞き出せるかもしれない」 彼は急いで業者に電話した。
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