屋根裏の本

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愛美は早足でどんどん行ってしまった しばらくして愛美は驚いて小走りで戻って来た 愛美は可愛く舌を出して言い訳した 「ごめんなさい私早足なんです」 「それだけ長い足ならね」 「耕三さんの方が長いじゃないですか」 彼は止まって言った 「耕三さん?」 愛美は狼狽した 「ごめんなさい 奥様のある方を」 「いや考えてみたら、俺だって愛美さんて呼んでるじゃんね だからおあいこだ」 「じゃあ呼んでいいですか?」 「ああ、いいよ」 「嬉しい」 愛美の笑顔を見た時彼は胸がキュンとなった 『なんなんだ俺は いかんいかん』 それから彼はなるべく愛美を見ないようにした。 愛美は彼を時々ちらちら見たが彼が無視するので、つまらなそうだった 彼は間が持てなくなったのもあって愛美に話しかけた 「愛美さん、電話で話した事の続きなんだけど、なんでこの事件に関わってるの」 「ああ、私法学部なんですよ、で憲法の研究サークルに入ってて、ほら今世紀に入ってからずっと匿名報道について警察が牛耳ってたじゃないですか 最近それを見直そうと言う気運があって、ところが警察が横槍を入れてくるらしいんですよ
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