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彼は通行人に、この地区で一番古くからある家を聞いた
そして土手の反対側にある農家を訪ねた
その農家は住宅街からかなり離れた大きな農家だった
周りは見渡す限り田畑だった
おそらくここらあたりの大地主だろう
田中家も前はこうだった
しかし練馬にある田中家は列島改造ブームの時半強制的に土地を売らされた
そして税金も上がった
だから多くの地主達は商売に手を伸ばさざるを得なかった
当時のメディアは、それを無視して土地成金と蔑んだ
その農家は切り妻屋根の建物がL字は配置されている一般的な家屋だった
門を入ると洗濯干場が左手にありL字の短い棒の部分は納屋とガレージとなっていた。
築五十年は立ってそうな家屋のガタピシ来てそうな門の前に来た時彼は考え込んでしまった。
どうやって説明すればいいんだろう
写真もないし、それ以上に何故それを知りたいかが説明できない
『やはり作戦を練り直そうか』
そう思った時彼は突然閃いた
容姿以外でも、印象づける何かがあれば聞き込みに使えるかもしれない
例えば口癖
彼は思い出した
あの男は先祖を憎んでると言った
こんな事を言う人間はそうはいないはずだ。
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