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彼は思わず興奮した
しかしまだ確証がないのではやる気持ちを抑えて言った
「洞口さん、名前の方は
しかし偽名と言うことは」
息子は言った
「本名だよ、だってあの人近くの土建屋で土木技師だったんだよ、技師はちゃんと書類ださんと雇わんよ
あれ、あんたさん、相続人捜索している弁護士でしょ
対象者の名前がわかんないの?」
『不味い、息子が疑い始めた
どうしよう
名字は聞いたから、他は別の人間にあたるか
その時この家の主人のラッキーな横やりが入って来た
主人は息子に話かけた
「おい、洞口さんって言えば、あの市教委とのトラブル」
彼はすかさず突っ込んだ
「市教委とトラブルですか」
そこへ息子が首を突っ込んだ
息子としては彼が弁護士であろうと偽物であろうとさして考えなければならない問題ではない
「覚えてるよ」
彼は聞いた
「それは何ですか」
「雄二郎さん、確かそう言ったよな親父」
「そうそう雄二郎さんだ」
彼は喜んだ
『名前もわかったぞ
後は中年男と、洞口ゆうじろうが同一人物かどうかだ』
息子は続けた
「あーちゃんは雄二郎さんが住民票を移さないから就学年齢でも学校にいけなかったんだよな親父」
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