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彼は言った
「ではもし、恨みを癒された場合、洞口さんがそれでも成仏せず
私から離れても妻や娘に取り憑くと言う事は、有り得ないんでしょうか」
名高はすぐ答えなかったがやがて口を開いた
「ないとは言えない
洞口さんの君に対する感情は嫉妬もあるんだ
一方なりふり構わず家族を守ろうとする君に対してゼンボウもある
洞口さんは結局娘さんを手放してしまったからな
だから君の家族に嫉妬して、その感情が抑えられなくなり、結局成仏せず、君の家庭を破壊するため娘さんに取り憑く事もゼロとは言えない
実は今俺が一番恐れてるのはそれなんだ」
「俺はなんて愚かな事をしてしまったんだろう
同じ娘を持つ父親として
しかし家族は守らなければなりません
最悪の場合ですが俺が死ねば恨みは消えますか」
名高は首を振った
「それでもわからない
しかし君がそこまで覚悟をしてるなら約束しよう
君の家族は絶対俺が守る
君まで守れなくて残念だが」
「ありがとうございます
少し安心しました」
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