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彼は名高に少し信頼を感じるようになる
彼は家に帰るとグタッと和室に寝転がった
まだ布団はないが、買いに行く元気がなかった
何となく彼は寝転がって部屋の中をゴロゴロした
静かにしてるとこれからの事が気がかりで気持ちが落ち着かなかった
ゴロゴロしながら天井を見た
「一体あの本の中は何なんだろう
何で鍵を掛けて天井裏にあったんだろう」
彼はその時ふと思って戦慄した
「あの本を祖母に渡して北條綾に恨まれてるのでは」
その時生木を裂くような音がした
「ラップ現象」
ラップ現象とは霊が出す独特の音である
生木が裂けるような音が多いと言われている
彼は戦慄した
反射的に頭をかばって押し入れの中に入ろうとしたが、押し入れのふすまに頭をぶつけてしまった
その拍子にふすまが外れてふすまの裏が表になった。
そこには三角マークの相合い傘で名前が書かれていた
傘の片側にはパパ
片側にはあーちゃんと書いてあった
彼は起き上がって正座して頭をうなだれた
そのまま何もせず時間が経って行った
七字頃妻からメールが来た
『何か食べた?』
「一応、女房として気遣ってるつもりかよ
しかし足掛け2日も顔を見てない亭主にメールかよ
大した良妻賢母だよ」
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