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彼はメールを返した
その内容は
『何か食べたよ』
妻が怒って電話をかけて来るかもしれないと思ったが、それでもいいと思った。
妻があまりにも冷淡なので、このまま離れて行くと疎遠になってしまうような気持ちがあったからだ
しかし妻からは何の返答もなかった
彼は自分の愛情が最近一方通行のような気がしてならなかった
妻もそうだか娘もそうだ
娘の沙羅はもし自分が洞口さんのように殺されたら、あんな風に自ら調べようなんてするだろうか?
愛は捧げる物無償の物と言うが人間だから打算があるのは仕方がない
それにいくら愛していても、なんにも応えてくれないなら張り合いがない
それに比べ洞口さんは惜しみなく娘に愛を与えたが娘からも 愛されていた
恵まれているのではないのだろうか
『ちょっと待てよ
あーちゃんの霊が霊道を通って来たら、大好きなパパのいる俺の身体に取り憑く事はないんだろうか?』
彼は複雑な気持ちを抱えながら夜12時を迎えよいとしていた
結局名高の言う事に従うしかない
彼は決断して南東に向かい儀式の道具を小さく鳴らした
ぽょよ~ん
『何なんだ、この音は、いくら小さくても不気味すぎるじゃないか』
向かいや下側のドアが一斉に開くとき彼は素早くドアを締めた
『やばい、俺が鳴らしたなんて言ったら追い出されてしまう』
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