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『遂に本格的に始めたのか
まさか女房や娘に手を出し始めたんじゃ」
彼は顔面蒼白になり身体を震わせた
しかしどんなに動こうとしても身体が動かなかった
彼は恐怖と不安で頭がおかしくなりそうだった
突然CDがついてユーミンの真冬のサーファーが流れ出した
彼はびっくりしたが次第に意味が何となくわかるような気がしてきた
『気を使ってくれているのか?』
もしそうなら意志疎通が出来るかもしれない
『しかしどうやって
そうだコックリさんの要領だ』
彼は問いかけた
「あなたは洞口雄二郎さんですか
もしそうなら何かで教えて下さい』
付くはずのないバッテリーランプが一瞬ついて消えた
彼は慎重に言葉を選んで言った
「あなたは今わたしに危害を加えようとしていますか
もし違うなら
えーと、そうだな
助手席のウィンドウを開閉して下さい
助手席のウィンドウが少し開いて戻った。
彼は洞口に従う事にした
「洞口さん、カーナビ通り走りますから拘束を解いて下さい」
彼の身体が軽くなり身体の自由が戻った
彼はカーナビ通り走り続けた。
恐怖は相変わらずだったが少し安心感が生まれていた
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