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加藤は中肉中背
特徴を言うとすれば顔半分まである広く平たい額だった
あまりにも額が広いため整った標準的な目鼻も小さく見えた
耳は小さく正面から見えずはげた頭とマッチングして入道のような雰囲気を見せていた
彼が入り口の所に戸惑っていると加藤は手招きした
彼は頭を下げて加藤の机の所まで来た
加藤は言った
「忙しい所すまない
君が田中耕三君だね
社長の加藤だ
よろしく頼むよ」
サラリーマンは社長から声をかけられるだけで天にも登る気持ちだ
彼が舞い上がってしまったのは無理もない
「ありがとうございます
私、舞い上がってしまい、失礼な事をしないかと」
「楽にしてくれと言いたいが、ここには座る椅子がないんだ
すまないね
ところで君は何年入社だ?」
「はい、○○年入社であります(ありますって(自嘲))」
「そうか
○○年か
あの年のルーキーは、一人前になる時酷い目に遭ってるんだよね
君の同期はなんパーセント残ってる?」
「二十パーセントぐらいです」
「考えてみれば君達が一番犠牲になったな、新入社員はあまり切れないし、技術会社であるからプロジェクトリーダー達をあまり切れない
結局君達を切った
年齢的にもやり直せると思ったから
社長として大変申し訳なかったと思っている」
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