破滅への課題

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「バブル入社組ですから、やむおえないです」 「とにかく君は我が社に生き残る事が出来た、我が社を去った社員達も、ある者は復帰させた 勿論業界を去った者も多かった 君はその人達の言ってみれば希望の星だ しかし君には欠点があるな それは熱すぎて余分な事に顔を突っ込んで来ると言う事だな 勿論二年前の事は懲りたんだろうが」 「はい、十分こりました」 「あの時私は君の正義感を評価した そう思ってるかね君は もしそうならはっきり否定しよう では何故君を許したか あそこは我が社の、いやこの加藤の聖地だからだ 聖地においては俗社会のルールは適用しない しかし今君はビジネスの最前線に戻って来た 戦場ではルールは絶対だ そのルールとは何か 企業の正義のみが正義と言う事だ 企業の正義とは、会社を存続させ、雇用を守ると言う事だ この企業の正義を邪魔する者は、その者が社会正義のため戦う者であっても私は許さない 君も私の下で上を目指そうと言うのなら、その事を肝に命じてもらいたい でなければ君は」 加藤は天井を指で指して、今度はその指を下に向けた 「人生を誤る事になる」
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