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彼は圧倒されて何も言えなかった
もちろん反論する気もなかった
急いで彼は言った
「はい、肝に銘じます」
「分かればいい
仕事に戻りなさい」
「失礼いたします」
彼は一礼すると逃げるように社長室を出た
社長室を出てからドアに背中から寄りかかった
夢見る気分など、社長にお呼ばれした喜びなど吹きとんでしまった。
しばらく震えが止まらなかった。
彼はヨロヨロしながら重役室の廊下をあるいて行った
壁を伝わるようにエレベーターまで歩いて行った
社長室では加藤が何者かと電話をしていた
「はい、どうやら、事件については詳しく知らないようです
つまらん正義感にふりまわされないようにお灸をすえておきました
まあ、いよいよとなったら私にお任せ下さい
実は私は彼の秘密を握ってるんです
それとなく、その事を脅しましたが、気がついたかどうか
彼の本質は善ではありません
我々と同じです
引き続き監視の目は光らせておきます
では今後もよろしく」
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