破滅への課題

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関東地区地方都市F市にある住宅地の一角に瀧川慶次郎の住居であるマンションがあった 瀧川のマンションは築五年の中級分譲マンションである シンプルな長方形の全体骨格の片側は回廊と玄関、片側はバルコニーと言う作りであり、屋上はバルコニー側のみ、片方は切り妻屋根である 色は少し赤っぽい茶色である 一階はガレージとなっている。 敷地内には向かい合うように同じタイプのマンションが、ちょうどバルコニーを向かい合わせるようにして立っているがそちらは賃貸マンションである 間取りは玄関を入って左側がトイレ、その向こうが和室、廊下の右側に寝室その隣が洋間その奥にリビングを兼ねたダイニングキッチンがあり、そこの脇に小さな廊下があり浴室に通じた バルコニーは和室から降りられる作りとなっている。 その日慶次郎はバルコニーで作業をしていた。何かを組み立てていたのだ 作業用のジャージを着て頭には鉢巻きを巻いていた。 鉄の筒のような物を数本傍らに置き図面を見ながらおっかなびっくりドリルや電動ノコギリを使い何かを作っていた その音の合間に外のチャイムが聞こえた 慶次郎は言った 「近所からの苦情かな やはりベランダで作業はまじったか」
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