破滅への課題

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慶次郎は敬礼した 母親の悲鳴に驚きパジャマ姿の娘も起きて来た 「ママ~」 母親は慶次郎の手を引っ張った 「ちょっと来て下さい」 慶次郎は和室からベランダに降りた そして言った 「下着をやられましたか」 慶次郎はバルコニーから下を見た 「下着が落ちてますよ」 女性もバルコニーから下を見て安堵した口調で言った 「あら、風で飛ばされたのかしら」 「ちょっと部屋の方へ」 慶次郎は女性を和室に戻すと窓をしっかり閉めて言った 「いいですか、これから話す事は絶対話してはいけません 約束出来ますか」 「はい、約束します」 「この部屋なんですけど 出ると言う噂なんですよ」 「まさか」 「私も半信半疑だったんですけど、ずいぶん前なんですけど、この部屋で女性が暴漢におそわれまして、女性は必死に逃げて、このバルコニーから下に落ちて死んだんです その時洗濯物が一緒に落ちまして血まみれの死体の周りに白い洗濯物が散らばって」 女性は顔面蒼白になった 「それで洗濯物が」 慶次郎はあと一押しをした 「この部屋を借りる人は風もないのに洗濯物が落ちるそうです それからしばらくして出て行くんですよ 皆さん真っ青な顔で」
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