破滅への課題

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長官官房長が特別に話をすると言うのだ 本来警察庁長官以外がこの首席監察官会議に出るのはおかしい 何故なら監察の対象となる警察官だからだ では何故長官だけ出られるかと言うと長官の諮問は警察組織内部だけでは事実上不可能だからだ つまり対象になりにくいから参加が可能だ しかしナンバー2やナンバー3はましてナンバー4は監察の対象となる そのナンバー4である長官官房長が出席するのは異議があって当たり前だ。 しかし平然と次原は ディスプレイの前の壇上に立った 次原は中肉中背 額が広く良く横分けの似合う整った顔達だが眉毛が神経質そうに曲がっていて、すぐ眉間に皺がよる 他の参加者達が階級章ガチガチの制服姿なのに対し一人グレーのスーツでの参加である 次原は言った 「ご紹介にあずかりました 官房長次原と申します 皆さんの中には何故官房長がここにいるのだと懐疑的な方が多いと思います そもそも警察を実行と規制に分けるなら私の管轄する長官官房はまさに警察権力を統括する場所です そして皆さん警務部監察官室はその警察権力を規制する場所であります 悪い言葉で言いますと我々は本来は敵同士 そこまで行かなくても我々は並び立ってはいけない存在であります それは癒着ですから
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