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埼玉に向かう高速を鬼岩のかなり年代物の黒いメルセデスベンツが走っている
鬼岩は助手席の大野に話かけた
「次席どうした?
毒蛇にあてられたか」
大野は考え深げに言った
「確かに憲法が改正されようと言う時代に、我々警察は単独で治安を任されるんでしょうか」
「憲法改正において首相は憲兵の復活を考えてるよ
そんなの法学部出身なら誰だってとっくに心配してるよ
やっぱり理科系キャリアはずれてるな」
「じゃあ次原官房長の言う事は正しいじゃないですか」
「強い警察
上層部の犯罪を見て見ぬふりをして表側を完璧に繕い
マスコミにも政治にもつけこまれなくてもだ、そんな警察が国民の一人もまともに守れると思ってるのか
お笑いだ
理系はすぐ人の言う事を鵜呑みにしやがる」
「しかし警察がこの激動期に仲間争いなどしていたら」
「腐って倒れる木なら俺達が根元からスパッと切ってやればいい
例え木は倒れても、その下に必ず新芽は出る
そして、それは大きな木になる」
「首席はメチャクチャです
とてもついて行けない」
「なら降りるか
さいたままで歩いて帰れ」
「むちゃいわないで下さい
ここは高速道路ですよ」
「ならさえずらず
大人しく乗ってろ
今さら体制に媚びたって、
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