鬼岩の過去

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そんな時代があったんだ、この国にも 親父は高校も出てたし、こんな事してちゃいけないって改心して警察官になった 当時警察は職員をほとんど戦争に取られ、そいつらがシベリアで抑留とかされてて、ほとんどガタガタだった だから多少のやんちゃしてても、ちゃんと警察官に採用されたんだ 親父は肩と左手に小さな入れ墨をしていて、左手の入れ墨は包帯で隠していた 若い時のバカのために重荷を背負った親父に子供の頃から武道と精神をたたき込まれた もっともそのおかげで俺はろくに勉強せず武道に明け暮れ高校もやっと入ったぐらいで、卒業したら県警に入ってもらいたい親父の気持ちをよそに武道家を目指していた」 「そう言えばキャリアで唯一逮捕術全国優勝者なんですってね」 「若い時親父は愚連隊を円満に抜け、仲間も親父を誇りに思い、親父から離れて行ってくれた 捜査課長嘗、署長嘗を何度も貰い、出世には縁はなかったが親父は警察官として家庭人として立派に生きた、もと愚連隊とかげくちを叩く奴もいなくなり、やがてそれを知ってる奴もいなくなった ところが親父の過去は親父を解放してくれなかった 親父が愚連隊の頃、兄貴と慕ってた人がいた 親父はその人が抜けさせてくれたから、何とか警察に就職出来て
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