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もちろん幹部達は飛びついた
何しろ死人に口なしだ
その男のやり方は用意周到だった
まずかぎつけて来た新聞社の支局に圧力をかけた
その後親父の過去と親父と兄貴分が死んだ状況をリークした。
そして、この情報を提供するかわりにシャブの機密漏洩に関して取材は止めろと取引を持ちかけた
この親父と兄貴分との関係、親父の死んだ状況は、もちろん地元の新聞には隠してあったから、これから取材で海の物とも山の物ともわからないシャブの機密漏洩なんかより、ずっと記事としておいしかったわけだから新聞社が飛びつかないわけはない
結局取引は成立した
もっとも新聞社も記者も、このキャリアがもっと狡猾な罠を仕掛けてる事には気づかなかったから取引を成立させたらしいが
とにかくスキャンダルは新聞社の関連する写真週刊誌から発表され大騒ぎになった
ヤクザと手を握り合って死んでいる親父の写真
親父の過去
当時の警察のいい加減な採用状況
警察スキャンダルにあきはじめた大衆にも十分刺激的なネタだった
ちゃんと更生して警察官として生きて来た親父を市民警察官の仮面をかぶったヤクザと癒着した汚い警察官だと世間が勘違いするのは、いとも簡単だった
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