鬼岩の過去

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親父の殉職記事が乗ると思っていた家族は、ほとんど肩すかしにあった 親戚からは絶縁され、近所からは白い目で見られる 家の塀には落書きされ、犬のようなリポーターが毎日家の周りをうろついた しかし地獄は、始まりに過ぎなかった 突然鹿児島県警は警察発表をした その内容は覚醒剤密売組織の情報漏れは親父と兄貴分の間で行われた物と言う事で死んだ親父は遡って懲戒解雇、県警本部長の謝罪と更迭で幕引きとなった それからの家族の地獄は君が考えてるレベルじゃない おふくろは身体を悪くしてそのまま」 「しかし機密にされた事をどうやって知ったんですか」 「取引に応じた大阪の新聞は公式発表で突然覚醒剤密売摘発の情報漏れを県警本部が行った事に疑問を持った 県警本部が下手を踏むと県警と取引した事が明るみに出る そうなったら唯一警察不正を容赦なく叩いてる事で読者の信用を勝ち取っている新聞の信用問題になるからだ そこで内偵を始めた やがて調べてるうちに情報の横流しが四課の刑事が絡んでる事を突き止めた その記者は新聞社に事実を報道すべきだと強く迫った しかしすでに親父を悪徳警官に思うように世論を誘導する事を手伝う形になってしまった新聞社は動こうとしなかった。
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