鬼岩の過去

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事を収めたのは騒ぎを大きくすると俺が警察に入れなくなるからだ それから俺はほとんど寝ずに勉強して一浪して東大法学部に入り学生時代に司法試験に合格し卒業時に国家一種を合格し警察庁に入った 警察権力の横暴のために泣く人間を一人でも減らすために おっと、それだけじゃ綺麗事すぎるか それじゃあとっときの話をしよう あのシナリオを全て書き上げた若いキャリアこそ、今は押しも押されぬ警察庁長官官房長にのし上がった そう、次原大樹その人なんだよ これで納得行ったかい」 「結局敵討ちですか」 「そうだ しかし今回の敵は次原じゃない 次原はあくまで背後だ しかし次原が黙っているとは思えない 特に俺があの事件の関係者だと知れば次原は本気で潰して来るな」 「まだ官房長は気づいて居ないんですか」 「あの刑事は上司には相談しただろうが次原には伝わっていないだろう その証拠に警察官としてやり過ぎ懲罰のある俺が関東管区の首席監察官に就任する人事に文句もつけなかった おそらく刑事や県警は次原に情報を入れると、また何か工作をすると考えたんだろうし、刑事は親父に捜査のいろはを教えてもらったらしいから暴行された事は、泣きの涙で自分の胸に止めたんだろう」
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