ストーカー

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兵部も自分とは連絡を取りたくないはずだ 自分も本音は取りたくない しかし兵部にしか頼れない 背に腹は変えられないのだ やがて車で移動中 見知らぬケータイの受信があった ケータイに出ると兵部だった 兵部は言った 「田中くん、久しぶり」 「兵部君、掛けて来てくれてありがとう」 彼は車を止めてハーザードをつけた 兵部は言った 「旧友へのご機嫌伺いは互いにやめておこう 君が俺に電話をしてくると言う事はよほどの事なんだろう 力になれるかどうかはわからないが話だけは聞いてもいい もっとも君が話す気があればだが」 兵部の言い方は冷たい突き放したものいいだったが愛情を感じた 彼は全てを話すべきかどうかかなり迷ったが、兵部にだけは全て話せる事は知っていた 兵部は親友ではないが全てさらけ出す事が出来る間だった なぜなら同じ傷を共有しているからだ 彼は言った 「実は君に頼みたい事があるんだ」 彼は兵部に全てはなして、そして言った 「信じてくれるか?」 兵部は言った 「にわかに信じられない部分があるが、君が嘘をつくとは思えない で、俺は何をすればいい」 「密かに妻子を守ってもらいたい そして報告してもらいたい」
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