ストーカー

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「中だ トイレに隠れて電話している」 その行動から兵部は田中が完全に崩壊してないと察した 兵部は田中を落ち着かせなければならないと思った お坊ちゃん育ちの田中はメンタルはかなり弱い ましてほとんど主導したのが兵部だから被害者意識は強い 兵部は言った 「まわりに会話を聞かれていないな」 「あ、ほとんど窓側か、外へ出てしまっている」 「そこにいろ、今俺が行く どこのトイレだ」 「三階の東フロアの一番奥の 早く来て、早く」 電話が切れた 兵部は丁寧に手紙を折りたたむと上着の内ポケットに手紙を戻した そして上着に対し拝むように手を合わせると走り出した そして三階の東フロアのトイレに必死に走り込んで来た しかしトイレはガラーンとしていた 兵部は注意深く呼びかけた 「田中、いるか」 返事はなかった 兵部はトイレのドアを叩いた いくつかのトイレを開けた 『まさか自殺をしたった事は』 兵部はトイレのスペースの唯一の窓を見た 窓が小さく、とても田中の体は入らない 兵部はケータイを発信した しかし受信はされなかった 「どこ行きやがったんだ、あのバカ」
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