ストーカー

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だから俺はそれに従う こんな事になるとは思っていなかった しかしこんな結果を起こしてしまった だが責任は俺だけにある 島田さんもそう思って死んでいる 俺はこのまま会社には居られない」 「お前だけがリタイアすると言うのか 俺も辞める 俺も申し訳なくていられない 何もなかった事にして、ここで働き続ける事は出来ない」 「君は忘れて残れ、君には奥さんがいる この生活の安定を捨てるな 君のためでなく、家族のために残れ それに、これは全て俺の責任だ 俺は君にもすまなかったと思ってる 俺一人でやれる事だったんだ 君をわざと巻き添えにした 俺一人で貧乏くじを引くのが嫌でね それに幸せすぎる君に対する嫉妬もあったのかもしれない 二流の人生の俺が一流を夢見てバタバタあがいて、こんな事を起こしてしまった 考えてみれば、このリストラは君にとって俺ほど重大じゃないだろう 国立大も出てるし、実家も立派だし 島田さんが睨んだとしたら、それは君じゃない俺だ だから忘れろ この事件も俺も ローカーや机の中の物は適当に処分してくれ」 名高は言った 「全ての責任をとって君は会社をやめたんだね」 「とても平然とは勤めてられませんでした」 「しかし君を追い込んだのは会社だ 社長は、こう言う事は起こるのは予想がついてたんじゃないのか」
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