69人が本棚に入れています
本棚に追加
しかし捜査本部が設立されると、通常捜査は後回しにされ、捜査本部の事件が優先される
しかし捜査本部が名目上残っていても、ある時間が過ぎると刑事達は事実上捜査から手を引いてしまう
だから余程の事件以外最初の僅かな期間に重要な手がかりをつかめないと事件は僅かな専従捜査員を除いて捜査員が離れて行く
だから事件がおみや入りになるかは、この初期捜査にかかっている
その時期に重要な情報が上がったのに、それが店晒しにされてしまったのだ
捜査の常道から考えればカンドリ(犯人の人間関係)において事件以降被害者に頻繁に接触して来ると言えば、何らかの事件の関連性を疑うのが当然だ
それを無視していると言うのは、所轄の上層部になんらかの意図があったと見られても仕方ないのである
初老の刑事は疑問を投げつけるように大野に言った
「あれから事件の担当をはずされましたので、もう少し何か掴んでいれば、食い下がるつもりでしたが」
大野は聞いた
「カンドリで妨害してると言う事はホシはガイシャの顔見知りと言う線が濃厚なんでしょうか」
「捜査会議はカンドリに重点を置いた捜査方針でした」
「しかし全く捜査の進展はなかった
これは顔見知りの犯行ではないと考えて
最初のコメントを投稿しよう!