ストーカー

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彼田中耕三に一本のメールが入った 『田中君、君の依頼を正式に受けよう 今後はなるべくお互い会わないほうがいいだろう 連絡はお互いケータイだけで取ろう』 それは待ちに待った兵部からの正式な依頼受諾メールだった。 彼はほっとしたのと同時に兵部の全く関係のない事件に兵部を巻き込む事に良心がとがめた しかし全てを話して家族を守ってもらえるのは、この世に兵部しかいないのだ。 しかしそう思いながらも彼は思った 『考えてみれば、兵部には、前回も貧乏くじを引かしてるじゃないか 散々無視しといて、困ったからと言って全然関係ない事件に無理やり巻き込むなんて、人間として俺はどうかしてるんじゃないか』 安心感と同時に彼は自己嫌悪で気持ちが落ち込んでいた その時であるケータイの着信音がなった 彼は怪訝に思い表示を見た その表示は番号非表示になっていた その途端なぜだか彼の胸は高まった 彼は期待と不安半々の中で受話器を取った 受話器からは透明感のある唐沢の声が流れて来た 「唐沢愛実です こんな風にまた電話してごめんなさい」 「いや、この前は気分を害させたようで反省している」 「仲直りしたいんですけど、また会っていただけますか」
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