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村田の風貌は少し小太りで、まだ少年っぽい
村田を見ていると鬼岩は独身で五十に近い自分に寂しさを感じる
村田は鬼岩の息子に近い年齢だ(東大の教養で結婚した場合だが)
少し妄想に入った鬼岩に村田は言った
「部長、洞口雄二郎と瀧川慶次郎とは、全く接点がありません
もちろん北条綾ともです
学校、職場、行きつけの店全て調べました
ここに資料を提出します
やはり捜査方針がカンドリに偏ってるなんておかしいですよ
今はマスコミが捜査経過を追求して来ませんが民主やマドンナ旋風( 土井たか子が一世風靡した左翼が強かった時代)の時代なら突き上げられますよ」」
「そこへおいといてくれ
ご苦労様」
「あの、何か浮かない顔ですね」
「うん、君は疑問に思わないか
もし慶次郎が突発的に衝動を感じ洞口を暴行して死なせた場合、もみ合った二人の間には指紋がないのは何故か
北条綾の方は目的殺人だから手袋のような物をしてたと考えればいいんだが、何故衝動的に暴行したはずの洞口の体に慶次郎の指紋がないんだ
それだけじゃない
殺した動機がはっきりしない」
「慶次郎は帰国子女ですよね
あっちでシャブを覚えて来たって事はないですかね」
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