ストーカー

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兵部は出入り口の警備小屋の横の駐車場の車の中でケータイで部下と話していた。 その部下は、田中の妻の護衛をしていた。 突然兵部は顔色を変えた 「何だって、まじかよそれ」 部下が言うには田中夫人が、男と待ち合わせをしてホテルに入ったと言うのだ 「ホテルってまさか」 「いえ、普通のシティホテルです 今ラウンジで話しています」 兵部は胸をなで下ろした まだ早合点するには間がありそうだ 兵部は部下に指示した 「どこのホテルだ」 「新宿の○○ホテルです」 「すぐに応援をやる 君はホテルに入って二人の会話を録音して写真を取れ 応援がついたら、二人で相談して片方は男の身元を調べろ、いいな」 兵部は電話を切って憤懣やる方ない顔で言った 「おいおい、こんな展開ありかよ 何かあったら報告しなきゃならないし 浮気調査受けたわけじゃないぞ 全く最近の女は」 大野は刑事の提供してくれた資料から洞口の住んでいたアパートの聞き込みをしていた アパートの隣の住人は新聞報道が匿名のため最初事件の事を知らなかった しかし大家が洞口を失踪したと勘違いして捜索願いを出した事から事件が発覚した。 洞口の住んでるアパートは地元企業の土木技師と言う、あまり高収入ではない立場から見ても、侘しく古い。 外壁はトタンの壁でドアは合板。 建物全体は四角い長方体である 築三十年は立っていそうで、知らない人が見れば廃屋と勘違いするほどボロい 洞口があまり人生に喜びを見いだせないタイプであると言う事は住んでる家を見れば歴然としている
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