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自分の立場から、災いの種は取り除きたい
そのストレスがどんどん溜まって心臓神経症を悪化させてるんだ
だから今まで、それほどダメージを与えて来なかった過去のトラウマが、自分を突然苦しめ始めた
このままストレスをため続けるとやがて心筋梗塞になってしまう、それじゃ事件が発覚したのと変わらないじゃないか
だいたい親父は本当に自分の事を考えてくれてるのか
親父は自分が出世したい、警察をやめたくない一心で、自分を庇ってくれてるんじゃないか
親父にとって大事なのは、己の保身であり、息子の自分じゃないんじゃないか
自分の病気が悪化しても、いや、病気が悪化して死んでくれた方が親父にはありがたいんじゃないか
『クソー、俺だけが死んでたまるか田中も親父も巻き添えにしてやる』
彼は目的地に急いでいた
愛美が待ってるとだけ言って勝手に電話を切ってしまったからだ
彼は愛美の電話番号を知らないので、連絡を取れず従うしかなかった
しかし考えてみれば、もう自分は洞口の名前を知ってしまったし、愛美と協力しあう理由などない
愛美が勝手に腹を立て二度と連絡して来なくても、なんの不都合もないのだ
それでも彼は会社に適当な言い訳を言って目的地に急いだ
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