見殺し

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彼は酒でも飲まなければ身が持たない気持ちだった 好都合に、彼の職場の周りには、行きつけの飲み屋があった この飲み屋は、この会社の創業当時からあった飲み屋で、当時小企業だった時社長や役員達が仕事の疲れを癒やしていた場所だった(後で考えれば、その事を良く考えて、こんな気分の時に行くべきではなかったのである) その飲み屋は会社から五分ほどの小さな商店街にあった 今どき全体をアーケードに囲んでいる昭和の高度成長時代の名残を表現しているような感じの商店街である 商店街と言っても昨今の小売業の近代化産地直送について行けない零細の小売店ばかりで、いわゆる廃業してシャッター
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