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ちゃんとした勤めをしてるだけで他人はその人間が良識があり人格も円満なのだと思いやすい
まして一部上場の大企業となれば余計信用される
北条夫人は言った
「まあ、その若さで本社のの課長補佐さん」
日本の大企業は官庁とそっくりで中央志向が強い、本社の課長補佐は支店に行けば支店次長待遇になる
知る人が見れば彼が出世コースなのは、わかるのだ
彼は大企業に居て良かったと思った
相手の信頼を勝ちとり易いと言うのは相手の懐に入り込み易いと言う事だ
営業の人間はそのためには、コネでも学閥でも、何でも使う、あくまで相手の懐に入る事が大事なのだ。
相手の懐に入ってこそ、相手の本心の一端をつかむ事ができるのだ
相手の本心を掴む事が出来てこそ相手は隙を見せる。
今回は大企業の優等社員と言うのが北条夫人の警戒心を和らげた
それを利用して彼は少し大胆な行動に出た
「よろしければ奥様のお名刺もいただけないでしょうか」
「そうですわね
私も渡さないと失礼に当たりますわね」
でも、こんなおばあちゃんの名刺、なんの役にも立ちませんよ」
北条夫人はそう言いながらもハンドバッグを開けて一枚の名刺を渡してくれた。
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