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その炎をしばらく見ていた。
そして北条夫人は言った
「そうかもしれません
いやそうに違いありません
でもねえ、通り魔でいいんです」
「ちょっと待って下さい
それは事実はどうあれ、通り魔の方が都合がいいと聞こえますが」
「私は犯人はわかりませんが、あの子が殺された理由は察しがつきます
しかしそれにこだわると」
北条夫人身体を震わせた
彼はこの時直感が働いた
北条綾が殺された理由は洞口雄二郎の殺害を嗅ぎ回ってるのを真犯人が疎んだからだ
北条夫人は理由をしりながら、それを隠蔽したがっている
北条綾は私生児扱いなので書類から洞口雄二郎につながる事はない
つまり北条夫人が真犯人を探させない理由は、騒ぐ事によりマスコミが動きだし北条綾と洞口雄二郎が親子である事が発覚する事を恐れているのだ
その弱みを所轄の連中が察して北条夫人を言いくるめてしまったのだ。
それほど洞口雄二郎が綾の父親である事が発覚する事は都合が悪いんだ
いったいなぜ
彼の頭の中に洞口雄二郎のポツリと言った言葉が浮かんで来た
突然北条夫人が線香に語りかけるように言った
「ごめんなさい綾ちゃん
おばあちゃん何もしてやれない
ごめんなさい綾ちゃん」
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