ストーカー

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彼は後ろを見た こちら側はほとんど道がないはずなのに、愛美がにこやかに立っていた。 その日の愛美は薄手のピンク色のワンピースの上にチェックのジャケットを着て赤いハイヒールをはいていた。 愛美は小走りに走って来た そして言った 「あーやっと会えた もう何年もあってないみたい 寂しかった」 まるで恋人か愛人のようないい方に、彼はびっくりした いくら冗談にしても、なんで女性と言うのは、こんな危ない言葉を口にするんだろう それも、商売女ではなく、こんな清純そうな娘が 彼はどきどきして心臓の鼓動が止まらなかったが、それは大変ここち良い物だった。 近づいて来ると愛美は綺麗な手を差し出した エスコートしろと言う意味なのかと彼は思った それにしても白魚のような指だ 彼は恐る恐る手を出し握りあった。 「痛い」 「あっすいません」 愛美は恨めしそうに彼を睨み片手をバタバタした。 彼は言い訳した 「すいません、空手やってるんで」 「へえ、そうなんだ 見かけによらず」 愛美は彼のまわりをぐるぐる回った 彼は恥ずかしいような、何とも言えないような気持ちだった 愛美は再び手を出して来た
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