ストーカー

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そして言った 「じゃあ改めて 女の子には優しくして下さい 」 彼は白い柔らかい手を握った 何とも言えない柔らかい感触と甘い香りが鼻をついた 愛美は手をニ~三度振って言った 「はい、仲直り」 そう言って手を外した 彼は思わずよろめいた 愛美はさもおかしそうに笑いながら言った 「仲直りに、何かご馳走してくれませんか」 「えっ、だって原因は君に」 「だめ~」 「いや、何か食べましょう 俺も腹がすいたし と言っても、どこに食べる所があるんだろう ちょっと探してみようか」 「うん」 愛美は可愛く頷いた 二人は歩き出した 突然愛美が言った 「二人どう見えるかしら」 「どうって、年の離れた兄弟、親子、援助交際」 「ははは、マジっ」 「何が」 「援助交際」 「冗談だよ」 「高いわよ、そうだな、まずあのジュース一本」 愛美は自動販売機を指差した 「おいおい」 「男は黙って買って来なさい」 「わかったどれがいいの」 「あれはダイドーだから、ミルクコーヒーは固いわね 冷えてるのね」 かれは大急ぎで販売機に走ったがなぜか足がスキップしていた
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