見殺し

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ありませんね 社長いかがな物でしょうか もうここの出張所は閉鎖なさったら」 社長は不快そうな顔で言った 「ここは我が社の始まりの地だからね それに」 社長は細々とシャッター街の中で営業している店を見て言った 「我が社が引くと彼らを見捨てる事になる」 社長はそんな事もわからないのかと言う顔で室長を見た 室長は鼻白んでしまい話題を変えようと運転手に話かけた 「君、いくら商店街の中でも全然進まないじゃないか」 運転手は慌てて弁解した 「前に人だかりが出来て渋滞のようです」 社長が言った 「人だかり?」 室長が言った 「私ちょっと見てまいります 君、車の進行の邪魔をしないように流れに沿って走ってくれればいいから」 室長はそう言うと車を出た 室長が少し行くと三十人ほどの人だかりが出来ていた 室長は野次馬に聞いた 「どうしたんですか」 「喧嘩ですよ」 「チンピラですか」 「否見た所酔っ払いのサラリーマン同士です それもニ対一のね」 「それじゃ片方はボコボコでしょう」 その時一人のサラリーマンが野次馬の中に飛ばされた。 野次馬が割れて
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