見殺し

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中の様子がわかって来た 夕暮れの暗がりの中一人の男が、特に構えもせずに、もう一人の男を、あしらうようにしている 飛ばされた男は足を痛めたの方膝立ちで動けない 室長は後ろから声を受ける 「あの物体はなんだね」 「社長まで、降りていらっしゃって 物体ですか?」 「あれだよ見た事ある物体だ」 社長は田中を指差した 室長は怪訝に思い眼鏡をこらして彼を見た ネオンの光が一瞬彼の顔を照らした 室長は慌てた 「あの物体、いやあいつはシステムサービス部門関東西部エリア所属の」 「やっぱりそうか しかしあの物体はアンインストール(クビ)も検討しなきゃならんかもしれんね」 この騒ぎがあってからしばらくして彼は本社に呼ばれた 久しぶりの赤坂の本社出社に彼は興奮した きっと本社へ戻る辞令を渡されるんだ それも通知でなくてわざわざ呼び出してくれるなんて頑張ったかいがある 本社ではいったいどんな部門のどんなポストが待ってるんだろう システムサービス本部の課長職か いやもしかしたら、それを統括するシステムテクノロジー部門の課長職 彼は営業実績には自信を持っていたので、どんどん期待
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