見殺し

42/62
前へ
/709ページ
次へ
大きな目が特徴的だった 男は慌ててどきながら言った 「すいません、気がつきませんで」 男はビール缶を片手に持って、もう片方で彼を招いた 彼は言った 「すいません気持ち良く飲んでる所を、買ったらすぐ消えますから」 そう言って彼はいつも小銭の入ってるポケットをあさった 『ない、バカな飲み会の前はあったのに そうか、走った時 否、ゲロを吐いた時に落としてしまったか』 彼は急いでスーツの胸の財布とポケットの餞別を確かめた それは落ちていなかったのでほっとした。 しかし財布の中には一枚も少額紙幣がなかった。 そして餞別も万札だけだった わざわざ二十人のスタッフから集めた金を幹事が両替したようだ とにかく彼はバツの悪い事になった その時思い出したのがケータイの自動販売機アクセス機能だ 彼はそのアプリを引っ張り出した そのアプリの機能を使うためにはロックナンバーを入れなければならない 彼はロックナンバーを入れた しかしエラーが出た 記憶違いだった 彼は仕事がらたくさんのロックナンバーを持っている ノートにかき分けてあるのだが、そのノートを持っていない。
/709ページ

最初のコメントを投稿しよう!

69人が本棚に入れています
本棚に追加