見殺し

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言う言葉が気になってしょうがなかった それはそうと結局彼はその男の名前も住所も聞く事ができなかった これが後で後悔する事になるとは知らずに 結局彼言われた通りは土手の上でタクシーを待つことした 土手の上から見ると下の道をタクシーが何台も行き過ぎるのが見えた しかしあれらのタクシーは自分を家には運んでくれない そう言う話だった だから彼は誘惑に耐えて土手の上を流すタクシーを待っていた。 ケータイの事があるので早く家へ帰りたかった だから、それほど時間は経っていないのに、苛立ちはどんどんボルテージを上げた その時一台のタクシーがヘッドライトを煌々と光らせて西から東へかなりのスピードで走って来た。 そのフロントウィンドウには、明らかに空車と言う文字が出ていた 彼は大きく手を振った タクシーは徐々にスピードを落とし彼の横につき後部ドアをあけた。 しかしその時突然タクシー無線が入った 『○○号、山川商事へ至急お願いします』 運転手は言った 「現在お客乗車」 「じゃあ、早くすませて山川商事常連だよ」 運転手は無線を切った 無線は相変わらずコールしていた 運転手は
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